金融庁の事務ガイドライン
第三分冊 金融会社関係
3 貸金業関係
3−1 登録の申請、届出関係
貸金業の規制等に関する法律(以下「法」という。)第2章の規定に基づく、貸金業の 登録の申請並びに変更及び廃業等の届出の事務処理については、以下のとおり取り扱
うものとする。
3−1−1 登録申請書、届出書の受理
(1)登録申請書(その添付書類を含む。以下同じ。)の提出並びに登録申請書の変更及び廃業等の届出は、原則と してこれらを提出しようとする者の主たる営業所又は事務所(以下「営業所等」という。)の所在地をその区域に含む貸金業協会(以下「協会」という。)を通して提出するよう促すものとする。なお、貸金業の規制等に関する法律施行規則(以下「規則」という。)第32条第1項に規定する「登録に関する申請がその事務所に到達」した日とは、主たる営業所等の所在地を管轄する財務局長又は福岡財務支局長(財務事務所長及び出張所長を含む。)が当該申請書を受理した日とする。
(2)登録申請書及び変更の届出の受理に当たっては、次の事項に留意し、反している場合にはその是正を促すものとする。
@資金需要者等に公的機関又は金融機関のごとき誤解を
与え、取引の公正を害するおそれのある商号又は名称
を使用していないこと。
A2以上の商号又は名称を使用して、2以上の登録の申請
をしていないこと。
B復代理店及び代理店の支店等の設置をしていないこ
と。
C代理店契約の内容について、次に掲げる事項を記載し
ていること。
イ 貸金業の規制に関する法令等を遵守する旨の文言
ロ 代理業務の範囲に関する事項
ハ 代理店手数料の決定及び支払に関する事項
ニ 代理業務の取扱いに必要な経費の分担に関する事
項
ホ 営業用の施設及び設備の設置主体等
(3)法第4条第2項第4号に規定する「営業所又は事務所の所在地を証する書面又はその写し」については、次によるものとする。
@営業所等(自動契約受付機及び現金自動設備を除く。)
については、当該営業所等の所有又は賃貸借の態様に
応じて、登記簿謄本、固定資産税課税通知書(課税物
件明細の記載があるもの)所有者からの使用承諾書
(貸金業の営業所等として使用されることを承諾する旨
の記載のあるもの)、又は賃貸借契約書等
A営業所等(自動契約受付機及び現金自動設備を除く。)
については、@に加えて、営業 所等の写真、地図及び
見取図
B登録申請者が設置する自動契約受付機及び店舗外現
金自動設備(営業所等(現金自動設備を除く。)の同一
敷地内(隣接地を含む。)以外に設置されるものをいう。
以下同じ。)については、規則別紙様式第1号「9 営業所
等の名称及び所在地」(第4面)をもって所在地を証する
書面とすることができるものとすること
C登録申請者の業務委託先が設置する自動契約受付機
及び店舗外現金自動設備については、当該業務委託先
との間で当該自動契約受付機又は店舗外現金自動設
備の利用に関して締結した契約書の写し
(4)規則別紙様式第3号の2(記載上の注意)4により、登録申請者が電磁的記録を提出する場合については、次によるものとする。
@氏名(カタカナ)は、半角のカタカナで記録し、姓と名の間
を半角で1マス空ける。
A氏名(漢字)は、全角で記録し、姓と名の間を全角で1マ
ス空けること。なお、常用漢字でない等の理由により、
漢字が記録不可能なものである場合には、当該漢字に
代えて、平仮名を記録すること。
B生年月日のうち年、月及び日については、半角の2桁で
記録すること。元号については、明治の場合はM、大正
の場合はT、昭和の場合はS、平成の場合はHと記録す
ること。
C性別については、男性の場合はM、女性の場合はFと記
録すること。
D種別については、役員の場合はY、重要な使用人の場
合はS、貸金業務取扱主任者の場合はKと記録するこ
と。兼務している場合は、その双方を記録すること。
E氏名(カタカナ)、氏名(漢字)、元号、年、月、日、性別
及び種別の間をカンマで区切ること。
(例)昭和40年2月1日生まれの貸金太郎氏(男性)が重
要な使用人及び貸金業務取扱主任者である場合には、
「カシキン タロウ,貸金 太郎,S,40,02,01,M,SK」と記録する。 (5)法人であって、規則第4条第3項第8号に規定するものを有しない者に対する同項第7号に規定する「貸借対照表又はこれに代わる書面」の内容の確認、また、個人に対する同項第9号に規定する「財産に関する調書」(以下「財産調書」という。)の内容の確認に当たっては、必要に応じ、例えば、下記のような書面によるものとする。
@預金が計上されている場合にあっては、取引先の金融
機関が発行する残高証明
A有価証券が計上されている場合にあっては、取引先の
証券会社が発行する取引残高報告書
B土地又は建物が計上されている場合にあっては、市区
町村が発行する固定資産評価証明書又は不動産鑑定
士が作成した鑑定評価書の写し
C法人にあっては、法人税の確定申告書及び確定申告書
に添付した貸借対照表の写し
D個人で青色申告している場合にあっては、所得税の確
定申告書(所得税青色申告決算書及び収支内訳書を含
む。)の写し
(6)規則別紙様式第4号(記載上の注意)5の「算出日の適正な評価価格に基づき算出した価額」とは、土地及び建物の取得価額、固定資産評価証明書に記載された価額又は鑑定評価書に記載された価額とする。
(7)法第6条第1項第11号の「暴力団員等がその事業活動を支配する者」は、暴力団員等が自己又は他人の名義で多額の出資をし、これを背景として事業活動に相当の影響力を及ぼしている法人のほか、例えば、融資関係、人的派遣関係又は取引関係等を通じて、結果的に暴力団員等が事業活動に相当程度の影響力を有するに至っているものが含まれ、具体的には、次の事由を有する者がこれに該当すると考えられる。
@暴力団員等の親族(事実上の婚姻関係にある者を含む
。)又は暴力団若しくは暴力団員と密接な関係を有する
者が、登録申請者(法人の役員を含む。)又は重要な使
用人であることのほか、多額の出資又は融資を行い、事
業活動に相当程度の影響力を有していること。
A暴力団員等が、事業活動への相当程度の影響力を背
景にして、名目のいかんを問わず、多額の金品その他
財産上の利益供与を受けていること、又は売買、請負、
委任その他の多額の有償契約を締結していること。 (8)他人に成りすましたり、他人の名義を借りて貸金業登録を行ったりするなど、登録行政庁を欺き貸金業の登録を受けることは、虚偽記載又は不正な手段による登録となることから、特に、新規の登録申請又は過去に貸出実績のない者からの登録の更新申請に当たっては、登録申請者(法人の役員を含む。)や重要な使用人を財務局に招聘してヒヤリングを行ったり、営業所等の現地調査を行うなど、極力、真正でない登録を排除するよう努めるものとする。
3−1−2 登録の申請の処理
(1)規則第4条の2第2項の規定による登録済通知書については、次により取り扱うものとする。
@登録済通知書の交付は、原則として協会を通して行うこ
と。
A登録番号は、財務局長(福岡財務支局長を含む。以下
同じ。)ごとに、決裁を終了した順に00001号から一連番
号とすること。
B登録番号の( )書きには、登録の回数を記入すること。
ただし、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関
する法律(以下「出資法」という。)附則第9項に規定する
日賦貸金業者における登録番号については、( )内に
「N」の文字及びその次に登録回数を記入すること。
C登録がその効力を失った場合の登録番号は欠番とし、
補充は行わないこと。
(2)規則第4条の3第1項の規定による登録拒否通知書については、拒否の理由に該当する法第6条第1項各号のうちの該当する号の番号又は登録申請書等の重要な事項の虚偽の記載がある箇所若しくは重要な事実の記載の欠けている箇所を具体的に明らかにするものとする。
(3)登録更新手数料について、登録の更新を拒否した場合、又は登録申請書を受け付けた後に登録申請者から当該登録申請書の取下げがあった場合は、登録更新手数料の返還を要しない。
(4)規則第6条の規定に基づき、貸金業者から登録換えの申請書等の提出があった場合には、次により取り扱うものとする。
@当該申請等を受けたときは、別紙様式1により作成した
意見書、従前の登録申請書の写し及び当該申請の直前
に行った検査の報告書の写しを添付して新たな登録に
係る財務局長又は都道府県知事に送付するものとする。
A規則第6条第2項に基づく登録換通知書を受領したとき
は、当該貸金業者の登録を削除するものとする。
3−1−3 変更届出の処理等
(1) 法第8条第2項の規定に基づき、変更に係る事項(以下「変更事項」という。)を登録したときは、遅滞なく、その旨を別紙様式2により原則として協会を通して届出者に通知するものとする。ただし、当該変更事項が店舗外現金自動設備に係るものである場合は、通知を要しないものとする。
(2)変更事項が財務局の管轄区域を越える主たる営業所等の位置の変更である場合には、次により取り扱うものとする。
@当該変更届出等の提出を受けた財務局長は、上記3-
1-2の(4)の@に準じて、変更後の主たる営業所等の所
在地を管轄する財務局長に当該変更届出書等を送付す
るものとする。
A新たな登録をした財務局長は、従前の登録をした財務
局長に対し規則第6条第2項に規定する登録換通知書
に準じて、登録をした旨を通知するものとし、従前の登録
をした財務局長は、当該通知があったときは、当該貸金
業者の登録を削除するとともに、必要な書類を新たな登
録をした財務局長に送付するものとする。
(3)日賦貸金業者は、出資法附則第10項において同法附則第9項に規定する業務の方法以外の方法により貸金業を営んではならないとされていることなどから、日賦貸金業者以外の貸金業者から日賦貸金業者へ変更が行われる場合等においては、次に掲げる事項に留意するものとする。
@日賦貸金業者以外の貸金業者から日賦貸金業者へ変
更する場合法第8条の規定に基づく登録変更の届出に
より、日賦貸金業者への変更は可能であるが、変更前
に貸し付けた出資法附則第9項に規定する業務の方法
(以下「日賦の方法」という。)以外の方法に係る貸付債
権を、変更後に当該貸金業者が回収することも、日賦の
方法以外の方法により貸金業を行っているものとして、
出資法違反となること。
A日賦貸金業者から日賦貸金業者以外の貸金業者へ変
更する場合法第8条の規定に基づく登録変更の届出に
より、日賦貸金業者以外の貸金業者への変更は可能で
あるが、変更前に日賦貸金業者として貸金業者の本則
金利を超えて貸し付けていた債権について、変更後に
おいても引き続き当該本則金利を超えた割合による利
息を受け取った場合には、出資法違反(高金利)となる
こと。
3−1−4 相続人による登録申請の処理
貸金業者が死亡した場合において、法第10条第3項の規定により、相続人が被相続人の死亡後60日間の期間内に登録の申請をしたときの登録番号は、その商号又は名称に変更がないときに限り従前の番号とするものとする。ただし、登録回数は、(1)とするも
のとする。
3−1−5 登録証明書の発行
登録を受けた貸金業者又は貸金業者であった者から公的機関に提出する必要がある等の理由により、その者の登録証明の申請があったときは、別紙様式3による貸金業者登録証明を行うものとする。ただし、登録申請書類が保存年限を経過していることにより破棄されている場合については、この限りでない。
3−1−6 貸金業者登録簿の閲覧
規則第9条の規定に基づく貸金業者登録簿の閲覧については、次により取り扱うものとする。
@閲覧の申出があった場合には、別紙様式4による貸金
業者登録簿閲覧表に所定事項の記入を求めるものとす
る。
A登録簿の閲覧日及び閲覧時間は、次のとおりとするもの
とする。
イ 閲覧日は、土曜日及び日曜日、国民の祝日に関す
る法律第3条に規定する休日、1月2日及び同月3日
並びに12月29日から同月31日までの日以外の日と
する。
ロ 閲覧時間は、財務局長が指定する時間内とする。
ハ 登録簿の整理その他必要がある場合は、上記の
閲覧日又は閲覧時間を変更することができるものと
する。
B登録簿は、財務局長が指定する閲覧場所の外に持ち出
すことができないものとする。
C次に該当する者の閲覧を停止又は拒否することができ
るものとする。
イ 係員の指示に従わない者
ロ 登録簿等を汚損若しくはき損し、又はそのおそれが
あると認められる者
ハ 他人に迷惑を及ぼし、又はそのおそれがあると認
められる者
3−1−7 登録等実績報告
登録等の実績について別紙様式5により財務局及び管内都道府県分を作成し、毎半期末の翌月末日までに監督局金融会社室あて報告するものとする
3−2 業務関係
貸金業者に対する法第3章の規定に係る監督に当たっては、次により取り扱うものとする。
3−2−1 過剰貸付けの防止
法第13条第1項の規定に係る監督に当たっては、次に掲げる事項について、適切に行われるよう促すものとする。
(1) 過剰貸付けの判断基準 貸金業者が貸付けを行うに当たって、当該貸付けが資金需要者の返済能力を超えると認められるか否かは、当該資金需要者の収入、保有資産、家族構成、生活実態等及び金利など当該貸付けの条件により一概に判断することは困難であるが、窓口における簡易な審査のみによって、無担保、無保証で貸し付ける場合の目処は、当該資金需要者に対する1業者当たりの貸付けの金額について50万円、又は、当該資金需要者の年収額の10%に相当する金額とすること。
(2)顧客に対し、必要とする以上の金額の借入れを勧誘してはならないこと。
(3)無担保、無保証の貸付けを行うときは、借入申込書に借入希望額、既往借入額、年収額等の項目を顧客自らに記入させることにより、その借入意思の確認を行うこと。
(4)無担保、無保証の貸付けを行うときは、信用情報機関を利用して、顧客の借入状況、既往借入額の返済状況等を調査し、その調査結果を書面に記録すること。
3−2−2 貸付け又は貸付けの契約に係る債権の管理若しくは取立ての業務を行うに当り、偽りその他不正又は著しく不当な手段を用いることの禁止
法第13条第2項の規定に該当するかどうかは、個別の事実関係に則して判断する必要があるが、例えば、貸金業者が次のような行為を行う場合は、当該規定に該当するおそれが大きいことに留意する必要がある。なお、「不正な」行為とは違法な行為、「不当な」行為とは客観的に見て、実質的に妥当性を欠く又は適当でない行為で、不正(違法)な程度にまで達していない行為をいう。
(1)契約の締結に際して、次に掲げる行為を行うこと。
@白紙委任状及びこれに類する書面を徴求すること。
A白地手形及び白地小切手を徴求すること。
B印鑑、預貯金通帳・証書、キャッシュカード、運転免許
証、健康保険証、年金受給証等の債務者の社会生活上
必要な証明書等を徴求すること。
C貸付け金額に比し、過大な担保を徴求すること。
Dクレジットカードを担保等として徴求すること。
(2)貸金業の業務を行うに当たり、顧客の信用情報(個人の返済又は支払能力に関する情報(氏名、生年月日、住所、電話番号等の個人を識別するための情報を含む。)をいう。以下同じ。)について、当該顧客の返済能力の調査以外の目的に使用すること。
(3)人の金融機関等の口座に無断で金銭を振り込み、当該金銭の返済に加えて、当該金銭に係る利息その他の一切の金銭の支払を要求すること。なお、一切の金銭の支払とは、礼金、割引料、手数料、調査料その他何らの名義をもってするを問わない。
(4)顧客の債務整理に際して、帳簿に記載されている内容と異なった貸付金額や貸付日などを基に残存債務の額を水増しし、和解契約を締結すること。
(5)顧客の債務整理に際して、当該顧客から帳簿の開示を求められ、これに応じる場合において、虚偽の回答を行うこと。
(6)貸金業者が、架空名義若しくは借名で金融機関等に口座を開設し、又は金融機関等の口座を譲り受け、債務の弁済に際して当該口座に振込みを行うよう要求すること。
(7)取立てに当たり、債務者及び保証人以外の者に保証人となるよう強要すること。
3−2−3 証明書の携帯
個別の事情にもよるが、法第13条の2に規定する「貸金業の業務に従事する使用人その他の従業者」には、以下の者は該当しないものと考えられる。
@人事、経理、総務等の内部事務に専ら従事する者
Aチラシの配布等の広告事務のみに専ら従事する者
B貸付けの契約(保証契約を含む。)の締結を行わず、単
に貸付けの申込みの取次ぎのみを行っている店舗等に
おける業務に従事する者であって、貸金業者との間に
雇用関係のない者
3−2−4 貸付条件の広告等
(1)法第15条第2項に規定する「広告」とは、個別の内容に応じて判断する必要があるが、ある事項を随時又は継続して広く宣伝するため、一般の人に知らせることをいい、例えば、次に掲げるものをいう。
@テレビコマーシャル
A新聞紙、雑誌その他の刊行物への掲載
B看板、立て看板、はり紙、はり札等への表示
C広告塔、広告板、建物その他の工作物等への表示
Dチラシ、カタログ、パンフレット、リーフレット等の配布
Eインターネット上の表示
(2)規則第12条第5項に規定する「多数の者に対して同様の内容で行う勧誘」とは、個別の内容に応じて判断する必要があるが、特定の名あて人に対して、同様の内容のものを送付することをいい、例えば、次に掲げるものをいう。
@ダイレクトメールによる、チラシ、カタログ、パンフレット、
リーフレット等の送付
A電子メールの送信
3−2−5 交渉の経過の記録
(1)規則第16条第1項第6号に規定する「交渉の経過の記録」とは、債権の回収に関する記録、貸付けの契約(保証契約を含む。以下3-2-5において同じ。)の条件の変更(当該条件の変更に至らなかったものを除く。)に関する記録等、貸付けの契約の締結以降における貸付けの契約に基づく債権に関する交渉の経過の記録とする。
(2)規則第16条第1項第6号に規定する「交渉の経過の記録」の記載事項は、おおむね以下の事項とする。
@交渉の相手方(債務者、保証人等の別)
A交渉日時、場所及び手法(電話、訪問、電子メール及び
書面発送等の別)
B交渉担当者(同席者等を含む。)
C交渉内容(催告書等の書面の内容を含む。)
3−2−6 取立て行為の規制
法第21条第1項(法第24条第2項(法第24条の6において準用する場合を含む。)、法第24条の2第2項(法第24条の6において準用する場合を含む。)、法第24条の3第2項(法第24条の6において準用する場合を含む。)、法第24条の4第2項(法第24条の6において準用する場合を含む。)及び法第24条の5第2項(法第24条の6において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。以下3-2-6において同じ。)の規定に係る監督に当たっては、次に掲げる事項に留意す
るものとする。
(1)法第21条第1項の「威迫」に該当するかどうかは、個別の事実関係に即して判断する必要があるが、例えば、貸金業を営む者又は債権の取立てについて貸金業を営む者その他の者から委託を受けた者等が、債務者、保証人等に対し次のような言動を行う場合、「威迫」に該当するおそれが大きいことに留意する必要がある。
@暴力的な態度をとること。
A大声をあげたり、乱暴な言葉を使ったりすること。
B多人数で債務者、保証人等の居宅等に押し掛けること。 (2)法第21条第1項各号の規定は、「人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動」の例示であり、取立て行為が同項に該当するかどうかは、当該規定に例示されているもの以外のものを含め、個別の事実関係に即して判断する必要がある。当該規定に定める事例のほか、例えば、次のような事例は、「人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動」に該当するおそれが大きい。
@反復継続して、電話をかけ、電報を送達し、電子メール
を送信し、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は
債務者、保証人等の居宅を訪問すること。
A債務者、保証人等の居宅を訪問し、債務者、保証人等
から退去を求められたにも関わらず、長時間居座るこ
と。
B債務者又は保証人(以下3-2-6において「債務者等」と
いう。)以外の者に取立てへの協力を要求した際に、協
力に応ずる意思のない旨の回答があったにも関わら
ず、更に当該債務者等以外の者に対し、取立てへの協
力を要求すること。
(3)法第21条第1項第1号、第2号及び第6号に規定する「正当な理由」とは、個別の事実関係に即して判断すべきものであるが、例えば、以下のようなものが該当する可能性が高い。
法第21条第1項第1号
@債務者等の自発的な承諾がある場合
A債務者等と連絡をとるための合理的方法が他にない場
合
法第21条第1項第2号
@債務者等の自発的な承諾がある場合
A債務者等と連絡をとるための合理的方法が他にない場
合
B債務者等の連絡先が不明な場合に、債務者等の連絡
先を確認することを目的として債務者等以外の者に電話
連絡をする場合。なお、この場合においても、債務者等
以外の者から電話連絡をしないよう求められたにも関わ
らず、更に電話連絡をすることは「人の私生活若しくは業
務の平穏を害するような言動」に該当するおそれが大き
い。
法第21条第1項第6号
@弁護士若しくは弁護士法人又は司法書士若しくは司法
書士法人(以下3-2-6において「弁護士等」という。)か
らの承諾がある場合
A弁護士等又は債務者等から弁護士等に対する委任が
終了した旨の通知があった場合
(4)法第21条第1項第4号及び第5号に規定する「みだりに要求すること」とは、個別の事実関係に即して判断すべきものであるが、例えば、以下のようなものが該当するおそれが大きい。
法第21条第1項第4号
債務者等から法第21条第1項第4号に規定する方法により
弁済資金を調達する意思がない旨の回答があったにも関
わらず、当該債務者等に対し、更に同様の方法により弁済
資金を調達することを要求すること。
法第21条第1項第5号
債務者等以外の者から、債務の弁済に応ずる意思がない
旨の回答があったにも関わらず、更に当該債務者等以外
の者に対し、債務の弁済を要求すること。
(5)法第21条第1項第4号に規定する「その他これに類する方法」とは、クレジットカードの使用により弁済することを要求すること等が該当すると考えられる。
(6)法第21条第1項第6号に規定する「司法書士若しくは司法書士法人」に委託した場合とは、司法書士法第3条第1項第6号及び第7号に規定する業務(簡裁訴訟代理関係業務)に関する権限を同法第3条第2項に規定する司法書士に委任した場合をいう。
3−2−7 説明責任
貸金業者の監督に当たっては、法の趣旨を踏まえ、貸金業者が説明責任を十分に果 たすことを確保する観点から、次に掲げる事項について、貸金業者に対し、適切に行
うよう促すものとする。
(1)契約を締結するに際して、契約内容を文書又は口頭で十分説明すること。
(2)包括契約を締結したとき及び当該包括契約に基づく貸付けを行ったときは、その いずれの場合にも、その内容を明らかにする書面をその相手方に交付すること。ま た、その書面は、債務者が自己の債務の内容を正確に把握し、弁済計画の参考とし うる程度の一義的、具体的、明確なものであること。
(3)法第17条第2項の規定により、保証人となろうとする者に当該保証契約の内容 を説明する書面を交付するときは、その内容を十分に理解しうるよう説明を尽くす
(例えば、保証契約の形式的な内容にとどまらず、保証人の法的効果とリスクにつ いて、最良のシナリオだけでなく、最悪のシナリオ即ち実際に保証債務を履行せざ
るを得ない事態を想定した説明(注)を行う)など、保証人となろうとする者があ らかじめ保証契約の内容を十分理解した上で保証契約を締結するとの法の趣旨に沿
って交付すること。
(注) 個別の契約内容に即し、相手方の理解力に応じた説明を行う必要があるが、 例えば、以下の様な点について説明を行う必要があると考えられる。
・保証人は、主たる債務者が債務を履行できない場合には、債務不履行額に遅延 損害金を付した額(特約により主たる債務者が一部の債務不履行により残債務
の一括返済を行わなければならなくなる場合はその旨を説明)のうちその保証 の範囲内の額を支払わなければならなくなるおそれがあること。 ・保証人は、保証債務を履行できない場合には、強制執行により、財産を差押えられるおそれがあること。
・連帯保証人には、催告の抗弁権、検索の抗弁権がないこと。
(4)法第17条(法第24条第2項、法第24条の2第2項、法第24条の3第2項、 法第24条の4第2項及び法第24条の5第2項において準用する場合を含む。)に
規定する書面における規則第14条第1項第1号イに定める事項の記載については、 保証の種類(連帯保証、根保証等)及びその効力(根保証の場合における極度額の
説明を含む。)をわかりやすく記載するなど、保証人となろうとする者が保証契約の 内容を十分理解しうる内容であること。
(5)強制執行認諾文言付きの公正証書作成委任状を取得する場合には、その相手方に、 当該委任状の内容について、その形式的な内容にとどまらず、強制執行認諾文言付
きの公正証書を作成することの法的効果を含め、その実質的な内容を十分に理解し うるよう説明(注)を尽くすこと。
(注)個別の委任内容に即し、相手方の理解力に応じた説明を行う必要があるが、 例えば、以下の様な点について説明を行う必要があると考えられる。 ・当該委任状に基づき作成されることになる公正証書には、相手方が当該貸付け の契約に基づく債務の不履行の場合に直ちに強制執行を受けるべきこと(強制 執行認諾文言)が記載されること。
・強制執行認諾文言付きの公正証書が作成され、相手方が当該公正証書に記載さ
れた内容の債務を履行できない場合には、貸金業者は、相手方に対する裁判手
続を経ることなく、当該公正証書に基づき、裁判所に対し、相手方の財産への
強制執行を申し立てることができること。
3−2−8 取引関係の正常化
3-2-1、3-2-2及び3-2-6のほか、貸金業者の監督に当たっては、法の趣旨を踏まえ、資金需要者等の利益の保護を図る観点から、次に掲げる事項について、貸金業者に対し、適切に行う
よう促すものとする。
(1)顧客等又は顧客等の代理人から取引履歴の開示を求められた際には、個人情報保 護の観点から、開示の求めをする者が開示を求められた取引履歴に係る顧客等本人 又は本人の代理人(以下「本人等」という。)であることを十分かつ適切に確認し、その際、特に、以下の点に留意して、本人等に過重な負担を課するものとならない ようにすること。
@ 顧客等自身が開示の求めをする場合
イ 金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口
座等の不正な利用の防止に関する法律施行令に規
定する本人確認書類(コピーを含む。)の提示を求め
ることは、開示の求めをする者が顧客の同意を得た
上で顧客に代わり債務の弁済を行おうとする者であ
って過去に当該業者と取引関係がない場合や、開示
の求めに際して提示された書面の記載内容に不審
な点がある場合等、本人であることの確認を特に慎
重に行わなければならない場合には適切である。
ロ 開示を求める者が当該業者と現在又は過去におい
て取引関係にある場合には、当該業者が保管する
取引書類に記載された情報等を用いて、顧客等にと
ってより負担の少ない方法により確認することが適
切である(注)。
(注)顧客等にとってより負担の少ない方法としては、例えば、次に掲げる方法がある。
@)当該業者及び当該顧客以外に知り得ない番号、契約書等への記載事項
その他の事項の申告、提示を受けることによる確認。
A)顧客等以外が所持し得ない書類(契約に係る書面、受取証書、その他
の当該業者からの通知書類又はこれらの写し)の提示を受けることによ
る確認。
B)署名及び捺印の契約書との照合等による確認。
ハ なお、当該業者が相手方を当該顧客等本人である
ことを認識して行っている面談や電話の際に当該顧
客等から開示の求めがあった場合には、開示の求
めをする者に対して改めて本人確認のための書類
等の提示を求めることは不適切である。
A 顧客等の代理人が開示の求めをする場合
代理人から提示される書類等(郵送及びファクシミリに
より送付されるものを含む。)において、当該顧客等が
開示を求める取引履歴に係る顧客等本人であること、
当該顧客等から当該代理人に委任がなされたこと及び
開示の求めを行う者が当該代理人本人であることを確
認する必要があるが、その際、当該顧客等に係る本人
確認については、上記@の考え方に留意し、顧客等の
負担に配慮することが適切である。
B 弁護士又は司法書士が顧客等の代理人として開示の
求めをする場合
イ 弁護士又は司法書士から、開示の求めについて顧
客等から委任を受けた旨の通知(債務整理等に係る
受任の通知を含む。)を受け、当該通知に記載された
顧客等に係る本人確認のための情報が十分である
こと等により開示の求めに係る委任がなされたことを
推認し得る場合には、特段の不審な点がない限り、
当該顧客等の作成に係る委任状の提示を求める必
要はない。
ロ 当該開示の求めに、代理人である弁護士又は司法
書士の氏名及び所属する事務所の名称、住所、電
話番号等が示されている場合には、当該代理人の
所属する弁護士会又は司法書士会への照会等によ
り確実かつ容易に確認できるので、特段の不審な点
がない限り、改めて開示の求めを行う者が当該代理
人本人であることを確認するための書類等の提示を
求める必要はない。
ハ 顧客等との面談や電話の際に、当該顧客等から、
取引履歴の開示の求めを代理人に委任する意思表
示(債務整理等の委任に係るものを含む。)があり、
弁護士又は司法書士である代理人から遅滞なく受
任の通知がされた場合には、特段の不審な点がな
い限 り、改めて顧客等に係る本人確認のための書
類等や当該顧客等の作成に係る委任状の提示を求
めることは不適切である。
(2)バス又は乗用車等の巡回により貸付けに関する業務の全部又は一部を営む行為は、安全性や顧客とのトラブルの発生等の問題があることから、行ってはならないこと。
(3)顧客の信用情報(個人である資金需要者の借入金返済能力に関する情報をいう。以下同じ。)について、不必要な事項の調査、調査事項の貸付け目的以外への使用等顧客のプライバシーの侵害となるような行為は行ってはならないこと。
(4)貸金業以外の業務を行っている場合において、当該貸金業以外の業務に関して貸金業者の登録番号を使用してはならないこと。
(5)貸付けの利率について、出資法に定められた上限利率に関わらず、自らの経営努力により、可能な限り引き下げ、もって資金需要者の負担の軽減を図るよう努めること。
3−2−9 支払を催告するための書面の記載事項
法第21条第2項に規定する支払を催告するための書面又はこれに代わる電磁的記 録については、次によるものとする。 (1)法第21条第2項第1号に規定する「住所」及び「電話番号」については、それ
ぞれ、当該債権を管理する部門又は営業所等に係るものを記載すること。
(2)法第21条第2項第2号に規定する「当該書面又は電磁的記録を送付する者の氏 名」については、当該債権を管理する部門又は営業所等において、当該債権を管理
する者の氏名を記載すること。
3−2−10 出資法第5条第7項について
出資法第5条第7項の規定により利息とみなされるものは、名目のいかんを問わず、 「金銭の貸付けを行う者がその貸付けに関し受ける金銭」であることから、契約の締
結及び債務の弁済の費用である収入印紙代や振込手数料等を貸金業者が債務者から受 領した場合にはこれらも利息とみなされるものに含まれることはもちろんであるが、
保証会社に支払われる保証料や司法書士又は公証人に支払われる書類作成費用等を貸 金業者が代理受領した場合には、右金銭も出資法第5条第7項の「みなし利息」に含
まれるので留意すること。
3−2−11 日賦貸金業者の監督
上記のほか、日賦貸金業者の監督に当たっては、日賦貸金業者は他の貸金業者に比 して債権の回収にコストがかかることなどを考慮して出資法の上限金利の特例が認め られているという趣旨に鑑み、また、資金需要者等の利益の保護等を図る観点から、 次に掲げる事項に留意するものとする。
(1)出資法附則第9項第1号において、日賦貸金業者の貸付けの相手方が主として営 む業種は、物品販売業、物品製造業、サービス業に限られているが、業種の判断に
ついては、原則として、日本標準産業分類表を参考とすること。 例えば、日賦貸金業者が、建設業者、不動産業者、サラリーマン、主婦等に貸し 付けることは、出資法違反となること。
(2)日賦貸金業者の貸付けの相手方が常時使用する従業員の数は5人以下とされてい るが、常時使用する従業員数の算定に当たっては、正社員に限らず、臨時雇用であ
っても、数ヶ月程度の期間にわたり雇用されている場合などにおいては、実態に即 して常時使用する従業員に含むものであること。
(3)出資法附則第9項第2号において、返済期間は100日以上と定められているが、 当初の契約における返済期間が100日以上であったとしても、日賦貸金業者側が 貸付けの相手方に債務の借換えをさせたり、正当な理由なく期限の利益を喪失させ るなどして繰上弁済をさせるなどにより、事後的に返済期間が100日未満となっ ている場合には、出資法違反となる場合があること。
(4)出資法附則第9項第3号において、日賦貸金業者は返済期間の100分の50以 上の日数にわたり、かつ、貸付けの相手方の営業所又は住所において自ら集金する
よう定められているが、取立て日数の割合の算定に当たっては、貸付けの相手方が 貸金業者の営業所に自ら返済金を持参し、それを受領したとしても取立て日数には
算入されず、実際に相手方に訪問した日数のみを算入するものであること。 なお、日賦貸金業者が集金のため相手方に訪問したものの集金できなかった場合
には、帳簿等に訪問日時が記載されているなど、集金のために訪問したことが客観 的に明らかになっている場合に限り、取立て日数に算入するものであること。
また、土・日・祝祭日など日賦貸金業者又は債務者の休日であっても、相手方に 集金のため訪問しなかった場合には取立て日数の割合の算定には考慮されないこと。
(5)数日分の返済金をまとめて前受けした場合、受領した金銭のうち1日当たり0. 15%の割合により算出された出資法上の上限利息を超えた部分を元本に充当せず、
利息として受領した場合には、受領時点において出資法違反(高金利)となること。
(6)いわゆる日賦償還表を法第18条の受取証書としている場合(法第18条第1項 各号に掲げる事項がもれなく記載されており、かつ、貸付けの相手方が当該償還表
を保有している場合に限る。)においては、返済金を前受けした場合や遅延損害金等 を受領した場合など当初の日賦償還表の償還スケジュールに変更があった場合には、
当該日以降の償還表の記載事項の変更を行うか、又は、当該日以降返済を受けた都 度、法第18条の受取証書を交付する必要があること。 また、貸付けの相手方から、返済の都度、個別に受取証書を交付するよう請求が
あった場合には、個別に受取証書を交付しなければならないこと。
3−3 貸金業務取扱主任者関係
貸金業者に対する法第3章の2の規定に係る監督に当たっては、以下のとおり取り扱 うものとする。
3−3−1 貸金業務取扱主任者制度の適正な運営
法第24条の7の規定に係る監督に当たっては、以下のとおり取り扱うものとする。
(1)債務者等から苦情が寄せられた場合は、申出人の意向を確認させるなどの方法に より事実を確認させ、業務体制の見直しを行わせるなど、貸金業務取扱主任者をして、当該営業所等の従事者に対し、法令を遵守させ、業務を適正に実施させるよう、
貸金業者を監督するものとする。
(2)法第24条の7第8項に規定する2週間以内の届出については、規則第26条の 26第2項の書面を貸金業者が受領した日を起算日とする。
(3)規則(平成15年内閣府令第95号)附則第3条第2項に規定する「新貸金業規 制法施行規則第26条の26第1項第1号に掲げる事項に関する研修」とは、全国
貸金業協会連合会が行った「金融取引管理者認定研修」又は?日本クレジット産業 協会が行った「クレジット債権管理士研修」とする。
3−4 監督関係
法第5章(立入検査関係を除く。)の規定に基づく、貸金業者の監督に当たっては、以
下のとおり取り扱うものとする。
3−4−1 虚偽報告
法第36条第8号に規定する「この法律の規定に基づく内閣総理大臣又は都道府県 知事の処分に違反したとき」には、法第42条第1項の規定による報告をせず、又は
虚偽の報告をした場合も含まれる。
3−4−2 営業所等の所在の確知
法第38条第1項の規定により営業所等の所在を確知するため必要な場合には、法 第42条第1項の規定に基づき、別紙様式6による営業所等の所在報告書、営業所等
に関する権利を証する書面又は営業所等の地図等の報告を求めるものとする。
3−4−3 行政処分の連絡
行政処分を行った場合の関係官署への関係資料の送付については、次により取り扱 うものとする。
(1)登録を拒否した場合(法第6条)
@ 登録(更新を含む。)の拒否を行った場合には、監督局
金融会社室、管内都道府 県及び他の財務局あて関係
資料を送付するものとする。また、当該関係資料の送
付を受けた財務局は、その管内の都道府県あて当該
関係資料の写しを送付するも のとする。
A 都道府県から登録の拒否を行った関係資料の送付を
受けた場合には、監督局金 融会社室、管内都道府県
及び他の財務局あて関係資料の写しを送付するものと
する。また、当該関係資料の写しの送付を受けた財務
局は、その管内の都道府県あて当該関係資料の写し
を送付するものとする。
(2)業務停止処分の場合(法第36条)
@ 業務停止処分を行った場合には、監督局金融会社室
及び業務停止処分を受けた 貸金業者の営業所等の所
在する都道府県(当該営業所等が他の財務局の管内
に所在する場合には、当該財務局経由)あて関係資料
を送付するものとする。
A 都道府県から業務停止処分を行った関係資料の送付
を受けた場合には、監督局 金融会社室あて当該関係
資料の写しを送付するものとする。
(3)登録取消し処分の場合(法第37条、38条)
@ 登録の取消し処分を行った場合には、監督局金融会社
室、管内都道府県及び他の財務局あて関係資料を送
付するものとする。また、当該関係資料の送付を受けた
財務局は、その管内の都道府県あて当該関係資料の
写しを送付するものとする。 なお、当該貸金業者が法
人である場合には、当該取消しの日前30日以内の役
員の氏名(法人にあっては、商号又は名称)に関する
資料もあわせて送付するもの とする。
A 都道府県から登録の取消し処分を行った関係資料の
送付を受けた場合には、監督局金融会社室、管内都道
府県及び他の財務局あて当該関係資料の写しを送付
するものとする。また、当該関係資料の写しの送付を受
けた財務局は、その管内の都道府県あて当該関係資
料の写しを送付するものとする。
3−4−4 登録取消し処分に係る聴聞の通知後、当該処分に係る決定までの間に廃業 等の届出があった場合等の連絡(法第6条第1項第7号、規則第5条の2)規則第5条の2に該当する者があった場合における関係官署への関係資料の送付については、次により取り扱うものとする。
(1)規則第5条の2に係る該当者があった場合には、監督局金融会社室、管内都道府 県及び他の財務局あて別紙様式7を送付するものとする。また、当該別紙様式7の送付を受けた財務局は、その管内の都道府県あて当該別紙様式7の写しを送付する ものとする。
(2)都道府県から、規則第5条の2に係る該当者の関係資料の送付を受けた場合には、 監督局金融会社室、管内都道府県及び他の財務局あて当該資料の写しを送付するも
のとする。また、当該関係資料の写しを受けた財務局は、その管内の都道府県あて 当該関係資料の写しを送付するものとする。
3−4−5 事業報告書の提出に係る留意点
規則別紙様式第8号に規定する事業報告書を処理する場合には、以下の点に留意す るものとする。
(1)「個人である資金需要者に関する情報の安全管理、従業者の監督及び当該情報の取 扱いを委託する場合にはその委託先の監督について、当該情報の漏えい、滅失又は
き損の防止を図るために必要かつ適切な措置」とは、保護法ガイドライン第10条、 第11条及び第12条並びに実務指針T、U、V及び別添2の規定に基づく措置とする。
(2)「その他の特別の非公開情報」とは、労働組合への加盟、民族又は性生活に関する 情報をいい、「適切な業務の運営の確保その他必要と認められる目的」とは、保護法
ガイドライン第6条第1項各号に列挙する場合をいう。
3−4−6 事業報告書の金融庁への送付
貸金業者から法第41条の2の規定に基づき事業報告書及び参考書類の提出があっ たときは、事業報告書(「6 貸付金の金額別内訳」の(記載上の注意)で併せて提出 する書類を含む。)の副本及び参考書類各1部を提出期限後10日以内に、監督局金融 会社室あて送付するものとする。また、管内都道府県知事から事業報告書の副本及び 参考書類の送付を受けたときは、速やかに監督局金融会社室あて送付するものとする。
3−4−7 業務報告書の徴収
(1)財務局に登録をした貸金業者から、法第42条第1項の規定に基づき、毎年3月 末における業務報告書を別紙様式8により毎年6月末までに徴収するものとする。
(2)当該貸金業者が資本金1千万円以上の法人である場合には、直前決算期の貸借対 照表及び損益計算書(様式自由)を添付資料として併せて徴収するものとする。
(3)当該貸金業者が個人又は資本金1千万円未満の法人である場合には、必要に応じ て、それぞれ、財産調書又は貸借対照表及び損益計算書(様式自由)を添付資料として併せて徴収するものとする。
(4)業務報告書は、原則として、当該業務報告書を提出しようとする貸金業者の主た る営業所等の所在地をその区域に含む協会を通して提出するよう促すものとする。
3−4−8 業務報告書の金融庁への提出
貸金業者の業務報告書の写しについては、毎年7月末までに、監督局金融会社室あ て送付するものとする。 また、管内都道府県知事から業務報告書の写しの送付を受けたときは、速やかに監 督局金融会社室あて送付するものとする。 なお、送付に当たっては、貸付残高500億円超の貸金業者の業務報告書と貸付残 高500億円以下の貸金業者の業務報告書を区分して送付するものとする。
3−4−9 登録不更新等及び廃業等の取扱い
(1)貸金業者が登録の有効期間満了の日の2月前までに当該登録の更新の申請をしな かった場合は、法第42条第1項の規定に基づき、別紙様式9による残貸付債権の 状況等に係る報告を求めるものとする。また、法第37条第1項により登録を取り 消す場合についても、当該報告を求めるものとする。
(2)上記(1)の報告書又は法第10条に規定する廃業等届出書(以下、「廃業等届出書等」 という。)の提出があったときは、法第42条第1項の規定に基づき、当該貸金業者
が締結した貸付けの契約に基づく取引の全てが結了する場合及びそれまでの間に連 絡先若しくは氏名・商号等又は取立委託先の変更、債権譲渡先の追加がある場合に
は遅滞なくその旨報告することを命ずるとともに、当該貸金業者に対し、次の内容 の書面を交付するものとする。
@ 法第44条に基づき、当該貸金業者が締結した貸付け
の契約に基づく取引を結了する目的の範囲内におい
て、なお貸金業者とみなされ、法令が適用されること
A 顧客名簿等の顧客の個人情報について、違法業者等
に売却又は譲渡することは、 厳に控えること
B 貸金業者が貸付債権の譲渡を行う場合は、貸金業規
制法第24条第3項(暴力団 員等への譲渡、委託の禁
止)が適用されるほか、当該譲受人には同法第17条、
第 18条、第20条から第22条まで、第24条第1項(再
譲渡先に対する適用法令 通知義務)、第42条が適用
される旨を当該譲受人に対して通知する義務(第24条
第1項)が生じること。また、あわせて、これらに違反し
た場合は刑事罰の適用 がある旨を通知すること
(3)廃業等届出書等により債権譲渡に係る情報を確認した場合は、当該情報を譲受人に対して監督権限を有する財務局または都道府県に提供するものとする。
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